過去掲載分【2012年】

2012/12/31 本年は有り難うございました

あと約2時間で平成24年も終わりです。 今年も依頼事件や各種の活動を通じて多くの方々と知り合い、また、様々な経験を積むことができました。
事件を解決するほど要求されるレベルが高くなっていきますが、それを乗り越えることで弁護士としての実力も上がっていくものだと考えています。
平成25年も全力を尽くしていきます!(福島直也)

2012/12/17 控訴審における民事訴訟の運営に関する協議会

何をしているのかわかりにくい集まりですが、基本的には、九州各県の弁護士が集まって民事裁判に関する各地の実情を報告し、その後裁判所内で福岡高等裁判所の裁判官と意見交換するものです。
各弁護士会の問題意識を知ることができて非常に有益ですし、高裁裁判官と率直に意見交換する機会も大変貴重なものです。
裁判所との意見交換は、施行が迫っている家事事件手続法の運用がテーマでした。
詳細は割愛しますが、家事事件とはいえ、「手続保障」の理念の下、相手方当事者にも書面・証拠を送付して反論の機会を与えるというもので、基本的には納得できるものになっています。もっとも、秘匿すべき情報もあり、その範囲や秘匿の具体的手続の運用が今後課題になっていくものと思われます(福島直也)。

2012/11/19 労働法研究会

先日、当事務所にて労働法研究会(第1回目)を開催しました。
テーマ(その1)は「有期雇用・雇い止め」でした。
平成15年の厚労省告示(「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」)により、有期雇用の類型が明示され、かつ、有効性判断の判断要素が具体化されたことから、 雇止めの効力の予測可能性が高まりました。
とはいえ、契約更新への客観的な期待度により解雇権濫用法理の適用基準は異なりますし、不更新条項(今回更新するが次回は更新しないといった条項)が契約更新時に盛り込まれた場合の問題などもあり、様々な観点から議論が交わされました。
時間の関係で、改正労働契約法(平成24年8月10日公布)には触れられませんでしたが、下記を柱とする重要な内容を含んでいるため、どこかで整理をします。
① 期間の定めのない労働契約への転換
② 雇止め法理の法定化
③ 不合理な労働条件の禁止

テーマ(その2)は「就業規則」でした。
社労士の方ならではの実務上の問題点の指摘や、「このように規定すべき!」という案文まで実際に示していただき大変有意義なものでした。
次回以降もさらに活発に議論をして実践的なスキルを高めていきます(福島直也)。

2012/11/15 先物取引被害全国研究会(静岡)

11月9日から静岡で開催された先物取引被害全国研究会に参加しました。
担当事件と似たケースで非常に工夫された報告があり、とても刺激になりました。
良い成果を出してこの研究会で報告することが次の目標です。(福島直也)

2012/7/18 企業円滑法の期限切れに向けて

 中小企業金融円滑法が来年3月に期限切れとなるとされています。
これをふまえて、金融庁のHPによれば、金融機関のコンサルティング機能の発揮を促すことが打ち出されています。要するに、再生支援協議会が担ってきた機能(再生計画の作成)の一部を金融機関に移そうというものです。
しかしながら、経験上、こうした再生計画の作成には、高度の知識、労力が必要ですし、複数の金融機関が関与するケースでは、金融機関間の調整が困難な場合があるはずです。
例えば、A、B、C、Dの金融機関が債権者の場合、基本的にはどの金融機関も「回収の最大化」を図ります。
そのようなときにメインバンク(例えば「A」)が調整しようとしても、それは難しいことです。
従前は、こうした金融機関の利害対立を再生支援協議会が調整してきたのですが、今回の措置によって、こうした機能が低下することになりはしないでしょうか。
懸念されるところです。
(福島直也)

2012/6/14 出所者の就労支援 

6月10日に大阪ミナミで発生したいわゆる通り魔による刺殺事件を契機に、刑務所からの出所者の就労支援のあり方が議論になっています。
刑事弁護を担当していると、その難しさを痛感することが多いです。働く場がないから刑務所に戻るしかないという現実に無力感を覚えます。
たしかに、この時代に働く場を確保することは容易ではありませんが、社会から隔離するだけでは、結局のところ、社会秩序の不安定さという形で跳ね返ってくるだけではないか、そんなふうに考えています。とはいえ、実際に何かすることは難しいので、全国就労支援事業者機構(http://www.siensha-kiko.net/)という非営利活動法人の会員になっています。できることから始めようということですね。(福島直也)

2012/6/5 40歳にして自動車学校入学

これまで自転車を漕いで日本社会のモータリゼーション化と一人闘ってきましたが、私も40歳にしてついに自動車学校に通うことになりました。仕事では自転車とタクシーと公共交通機関で事足りると思っていたのですが、この1~2年、いわゆる交通弱者と呼ばれる人の事件を受けることがあり、マイカーはないし、路線バスもなく、徒歩といっても200m位歩くと動けなくなって携帯から110番通報してしまう等、依頼者本人が事務所まで来ることができないケースが時々ありまして、やっぱり自分が動けるようにしておかなければいけないと考えを改めました。

入校申込みをした時、年齢40歳と申告したら、「今までどうされてたんですか!?」と教官にびっくりされました。自転車でがんばっていたと答えましたが、やっぱり佐賀で免許がないって普通あり得ないことなんですね。

自動車学校は20歳前後の若い人が多いので、いろんな人と一緒に机を並べるのも面白いです。ヤンキーな子を見てはこっそり付添人的気持ちになっています。技能教習はこれからですが、教官に怒られても挫折しないように、何とか40歳のうちに免許取得を目指してがんばろう。(福島和代)

2012/5/30 最近の未公開株詐欺報道から

「上場予定のない自社の未公開株販売などで投資を募り、現金をだまし取ったとして、佐賀、福岡、長崎、大分の4県警の合同捜査本部は29日、詐欺の疑いで、ビルメンテナンス会社「東京メンテナンス」の元社長ら6人を逮捕した」(2012年5月30日付佐賀新聞より)
この報道によれば佐賀県内には被害者が20名もいたようです。
最近はこの種の報道が多いように感じますが、佐賀県警もやろうと思えばできるのですから、この種の事犯の摘発を進めていくことを期待します。
他方で、最良の対策はこうした犯罪が起こらないようにすることですから、被害に遭いやすい高齢者の方々に対する啓発などは、弁護士会の委員会を通じて地道に取り組んでいくつもりです。(福島直也)

2012/5/13 腕利きの医者と・・・

最近、腕利きと、そうでない医師の「腕の違い」に直面することが続きました。
最初はインフルエンザです。
A医院の診断ではタダの風邪でしたが(誤診)、翌朝具合が悪いのでB医院に行くと、インフルエンザとの診断。
しかも、B医院では、診察から薬の説明までずっとベッドに横たわったままでOK。高熱だったので本当に助かりました。
1年間ずっと痛かった右肩の診断も全く違いました。
甲医院は、湿布を貼っただけで痛みも全く取れなかったのですが、乙医院は、原因を突き止めたうえ、呆気ないほど痛みも取れました。
面白いのは、腕利きの医院(B医院・乙医院)は、患者で溢れかえっていたのに、そうでない医院は、淋しい限り。
医師の業界は、残酷なほど人気に違いがでますね。
・・・法律事務所はどうでしょうか?
規模の大きい会社であれば弁護士の取捨選択も可能ですが、個人の方であれば、一生に一回しか依頼しないことも珍しくありません。
そもそも腕利きかどうか、病気のように自分の身体では判断できませんから、弁護士に問題があるケースでもそれに気付くことが難しいのです。
何か疑問を感じたとしても、弁護士を変更することは容易ではありません。
そのように考えてみると、弁護士会が弁護士の質を一定程度保っていくことは、本当に大切なことですね。
もっとも、悩ましいのは、意識の高い人ほど研鑽を積む一方、そうでない人は、研修というか、腕を磨くことに関心が低いように見受けられることです。
(福島直也)

2012/4/23 サガン鳥栖躍進

今年度J1に昇格したサガン鳥栖の躍進が止まりません。
本日現在で5位につけています。
得意なスタイルを磨いてきたことがその一因だと言われていますが、その重要性は、サッカーに限りません。
はやて法律事務所は、これからも得意とする分野を磨いていきます。
もっとも、言うのは易しいですが、実現は簡単なことではないですね・・・。(福島直也

2012/3/29 職場におけるパワーハラスメントと法律

先日27日に、佐賀市教育委員会内の研修で「職場におけるパワーハラスメントと法律」についてお話しさせて頂きました。
パワーハラスメントの労働相談は2000年以降増えていて、労働局の個別労働相談でも全体の10%以上を占めています。パワハラとは、職場の優位な人間関係を利用し、業務の適正な範囲を超えて相手に苦痛を与える、いわゆるいじめ行為なのですが、職務上の指揮命令関係において発生するため、それが業務上必要な行為なのか、いじめなのか、客観的に区別が難しく、被害が表沙汰になりにくいものです。
私も労働局の個別紛争あっせん委員をさせてもらっていますが、今の職場では、正社員や派遣社員、契約社員など様々な雇用形態の人がいて同じ仕事をしなければならないので、カルチャーギャップが生じ、コミュニケーション不全からパワハラなどのトラブルになるケースは多いと感じています。
パワハラを放置すると職場がすさんでしまうので、パワハラを予防し、深刻化しないよう、社内の啓発や相談窓口の設置が必要です。
ちょうど、3月には厚生労働省からパワハラの予防・解決に向けた提言が取りまとめられました。
今回、研修の講師をさせて頂き、あらためてパワハラ対策の重要性を感じたとろこでした。(福島和代)

2012/3/13 松露饅頭のパワー

1年以上昔のことです。債務整理の依頼者さんが失業してなかなか仕事が決まらず、すっかり元気をなくしていました。
打合せの時、私から、「がんばってハローワークに通って、何でもいいから仕事見つけて下さい」とお願いしても、
「どうせハローワーク行ったけど、歳だし、仕事なんてなか」と諦めてしまっている様子でした。
私が、「諦めちゃダメです!」と叱咤すると、
依頼者さんは、「お金がなくなって、昨日から何も食べていない。今日は、電車代もないから家から自転車で来た」と自身の厳しい状況を話されました。
依頼者さんは高齢で、ご自宅はここからJRの駅で二つ離れています。
都会と違って、この辺の駅と駅の間隔はかなりあるので、空腹を抱えて自転車は大変だったろうと思いました。
そこまでして打合せに来てくれて申し訳ないと思いつつ、でも弁護士が仕事を見つけてあげることもできないし、私も二の句が継げませんでした。
しばし沈黙してしまいましたが、とりあえずそんなにお腹が空いていてはいけない、何か食べてもらおうということで事務所内の食べ物を探しました。
ちょうど、頂き物の松露饅頭がありました。
丸一日食べていない方にはもうちょっと腹にたまる物がよいかと思ったのですが、これしかないので、松露饅頭とお茶を煎れ直して、
「とりあえず、これを食べて下さい」とお出ししました。
依頼者さんは、最初「いえいえ、結構です!」と遠慮されていたのですが、
「いいですから、とにかく召し上がって下さい」としつこくお願いし、食べてもらいました。
依頼者さんは、松露饅頭をパクパクと召し上がり、お茶もゴクリと飲み干されました。
食べ終わった直後は、静かにされていたのですが、依頼者さんは、その後、ものの2,3分で、ものすごく元気回復されたのです。
「先生!債務整理がんばります!これから毎日ハローワークにも行きます!」とやる気に溢れていました。
そのあまりの豹変ぶりに、私はびっくりしたというか、感動したというか。
とっても喜んで頂けたので、残りの松露饅頭も何個か持って帰ってもらい、打合せは終了しました。
松露饅頭には、あの小さなお饅頭には、一体何が入っているの?
すごいのは、元気が出るだけでなく、気持ちまで前向きになる、やる気が出るという、精神への作用でした。
佐賀の和菓子はどれもおいしく、レベルが高いとは思っていましたが,まさかここまでとは。
それ以来、松露饅頭のパワーにあやかろうと、疲れたときには、私も時々松露饅頭を買って食べています。(福島和代)

2012/3/4 交通事故の現地調査

最近はご紹介で交通事故を依頼されることが多いです(H23年は18件でした)。
交通事故は、本当に奥が深く、難しいですが、そんな中でも楽しみは、現地調査です。
案件によっては県外ということも珍しくありませんが、普段では決して行かないような場所に行けること自体が、息抜きになっています。
幹線道路もあれば、誰も通らないような山道もあります。
晴天だといいのですが、雨天のときもあります。
ただし、頭の中で事故を再現してハマりこんでいると、自分が事故に遭いかねないので要注意です。(福島直也)

2012/2/28 全国一斉投資被害110番

私が所属する先物取引被害全国研究会が、3月8日・9日を中心に、「全国一斉投資被害110番」を行います。
http://www.futures-zenkoku.com/110ban/
佐賀県でも、佐賀県弁護士会消費者問題委員会が下記のとおり「投資被害110番」を行います。
日 時)3月9日(金)17時30分~19時30分
連絡先)0952-24-3411(佐賀県弁護士会)
当日は、昨年末の全国一斉刑事告訴の際に実際に刑事告訴を行った弁護士3名が電話相談を担当します(私も担当します)。(福島直也)

2012/2/3

先日、3年近く続いた事件が終わりました。
関係者が60名を超えて利害調整に四苦八苦しましたが、目標を達成して依頼者から感謝されたときの達成感は大きいですね。
最後の打ち合わせで色々と思い出話をする時間が、とても心地良いです。(福島直也)

2012/1/31 管財人税務研修

1月30日17時から佐賀県弁護士会館で、税理士の講師を招いて、「破産管財の税務ー申告を中心にー」の研修を行いました。
私が事務局長をしている佐賀県弁護士会倒産法検討委員会が企画したものです。
講師は、はやて法律事務所の協力専門家でもある福井泰成税理士。
法人税法の制度を改正前後で比較して本質に迫る前半、具体的設例をもとに申告書を作成する後半と、狙いが明確で、理解し易かったです。
福井先生有難うございました(福島直也)。

2012/1/20 佐賀県民交通安全県民運動

本日付の佐賀新聞に、「佐賀県交通安全県民運動」の取り組みの掲載を見つけました。
今まで知らなかったのですが、毎月20日の「佐賀県交通安全の日」に掲載しているようです。
県内で交通事故が多発している交差点の紹介や、知っておきたい交通安全豆知識(今月は「ハイビームが原則」)など、役に立つ内容になっています。
佐賀県は交通事故が多い自治体ですから、こうした地道な取り組みを続けていってもらいたいと思います。

2012/1/9

ここ数年の間に、中国に進出する企業の相談も受けるようになりました。
本年の1月18日からは佐賀空港と上海浦東国際空港の定期路線が就航することになりました。
ここ佐賀でも、上海をはじめとした中国との関係は深まっていく一方です。
そこで、当事務所は、上海のニュースター法律事務所を協力事務所として、中国での法律案件への対応を図ることと致しました。
私は、少し前にニュースター法律事務所を訪問しましたが、上海の街の喧噪ぶりは予想以上でした。
本年も、はやて法律事務所は、新しい試みをしていきます。(福島直也)